法定単純承認

 

法定単純承認の中で、「相続財産の一部又は全部の処分」とありますが、具体的には下記のような処分が該当します。

 

処分にあたるもの 処分にあたらないもの
   ア、相続財産の売却、 抵当権設定

   イ、家屋取壊、山林伐採、放火による消失
   ウ、602の範囲を超える賃借権
   エ、相続財産たる金銭債権を収受領得 

   ア、管理行為

   イ、失火による家屋、山林等の消失
   ウ、602の範囲を超えない賃借権
   エ、相続財産の無償貸与

 

相続人が相続開始の事実を知ってする必要があります。
自己なために相続が開始したことを知り、または確実これを予見しながら敢えてなされたものであること。

 

また、相続人が承認、放棄の能力を有することが必要です。
未成年後見人、成年後見人、被保佐人、被補助人が単独で処分してもダメです。

 

 

さらに、放棄、限定承認の後これら処分がなされても単純承認にはあたりせん。
例外的に、下記の場合に単純承認したとみなされます。

 

@ 財産の隠匿
   相続財産を隠す。(放棄、限定承認前の隠匿は非該当)
A 私的消費
   相続財産を私的に消費すること。
   相続財産で行う身分相応の葬式 ×(非該当)
   相続財産中の米や味噌を食べる行為 ×
   相続財産中の賃借権を利用。相続財産中の賃料を支払う 〇
B 悪意の目録不記載
  限定承認の際要求されている財産目録に相続財産の存在をしりながら記載しない。

 

※ 第一相続人の放棄後、第二相続人が承認した場合、第一相続人の限定等が発覚しても非該当

 

 

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