遺言書

遺言とは

自分の財産の処分は、自らで決めるのが当然です。
しかし、ご自身が亡くなられた後では、残した財産の処分をすることは不可能です。
この時、生前に遺言を書いておくことでそれを可能とします。

 

法定相続分とは、故人が残した財産を処分するにはおそらくそうするであろうと推測して決められています。
それに対し、遺言は故人の本当の意思をあらわしているものなので、それが何よりも優先されるのは当然です。相続人間の協議でも原則変えることは出来ません。
したがって、遺言を残しておけば、相続時の紛争も防止することができるのです。

 

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例えば、大資産家が亡くなった場合など、その遺言で相続人間の数十億という遺産の帰趨をさ左右することもあります。
人間が一生で、労せずして大金を手にする機会は相続以外にありません。
そのため、最も争いごとが起きやすいのが相続の時でもあります。

 

そこで民法では、こうした争いごとを減らし、また争いごとがあった場合に裁判所が問題点の整理がしやすいようにするため、遺言書に厳格な様式を定めました。

 

例えば遺言でできる事項は法律で決めていることがらにかぎられています。
相続に関係のない身分上の事柄としては、以下のものがあります。

 

@ 認知
A 親権者が死後自分の代わりとなる、子供の未成年後見人、未成年後見監督人を指定すること。

 

従って、「兄弟仲良くせよ」とか、「葬儀は簡素にしてくれ」等は、俗に言う遺言ですが法律上の遺言ではありません。

 

 

遺言の種類

 

遺言の種類としては次の3種類があります。

 

 (1) 自筆証書遺言
 (2) 公正証書遺言
 (3) 秘密証書遺言

 

 

 

(1) 自筆証書遺言

 

手書きの遺言のことです。
遺言者が自分の部屋で一人で書くことができます。
最もオーソドックスで手軽な遺言です。

 

条 件
@ 全文自筆
 本人の筆記以外の方法
  ワープロ、パソコン、録音、点字機 ×
  不動産目録等一部のみワープロ  ×

 

A 具体的に特定できる 「作成日付」 が記載されている。
『特定できない場合』
 「平成29年9月作成」 「平成29年9月吉日」 ×
 日付の記載はないが、他の証拠により生年月日が明らかな時 ×
※ 日付は間違っているが、他の証拠から容易に判明する場合。
 遺言書自体には日付の記載がないが 封筒にある場合など有効です。

 

B 作成者の 「氏名」 が記載されてること。
通称、ペンネームで同一性が確認できるもの。
または「氏のみ」、「名のみ」 の記載でも有効です。

 

C 作成者の押印があること。
押印は実印に限らず 「認印」 でも 「捺印」 でも可です。

 

 

(2) 公正証書遺言

 

公証人という法律家が作成に関与します。
そのため、無効になる心配がありません。
遺言書が遺言者の手元以外に公証人役場にも保管されるため紛失のおそれがありません。

 

原則は、公証役場において
〇 二人の証人のもと遺言者が遺言内容を口述する。
〇 内容をもとに公証人が遺言を作成する。
〇 本人と証人二人の前で読み聞かせる。
〇 了承すれば各々が署名押印するといった流れです
〇 公証人が正しい方式に従ったことを付記し、署名押印する。 

 

 

(3) 秘密証書遺言

 

 公正証書遺言は最も確実な方法ですが、唯一欠点として、遺言内容を公証人、証人2人に知られてしまうということがあります。
 それをおぎなう制度が秘密証書遺言という方式です

 

遺言書が存在するということのみ明らかにしておけます。

 

〇 遺言者が遺言を作成し、証書に記名・押印する。
〇 遺言者がその証書を封筒にいれ、証書に用いた印で押印する。
〇 遺言者がその封筒を公証人、証人2人の前に差し出す
〇 それが自己の遺言であること、氏名・住所を申述する
〇 公証人はその封筒に遺言者の申述内容、提出日付を記載をする。
〇 公証人、遺言者、証人はその封筒に記名押印する

 

※ この方式は現在ほとんど使われることはありません。

 

 

 

遺贈

 

遺贈とは、遺言により遺言者の財産を無償で譲渡することです

 

 

遺贈には、次の2種類があります。

 

@ 特定遺贈
特定の財産を遺贈するケース。「A土地を遺贈する」といった場合。
法定相続人の誰かに行えば、遺産分割方法の指定となります。

 

A 包括遺贈
相続分を割合として遺贈するケース。「相続分の3分の1を遺贈する」といった場合。
法定相続人の誰かに行こなえば、相続分の指定になります。

 

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遺留分
 一定の相続人のためにどうしても残してやらねばならない相続財産の比率です。
例えば、故人が遺言で全財産を赤の他人に譲渡すると書いたとします。
それに対し、法定相続人は自分に半分残しておけと主張できます。
その遺言自体は有効ですが、遺留分権利者が遺留分を主張した時に(遺留分減殺)、
所有権はその者に移行します。

 

遺留分権利者
 法定相続人のうち、配偶者、子供、直系尊属、その代襲相続人です。 
兄弟姉妹はふくまれません。
直系尊属のみが相続人の時遺留分は3分の1で,それ以外は2分の1です
その中で共同相続人が持ち分に応じて分け合います。   

 

 

もしある人が、その者の相続人の一人に遺産を一切渡したくないと考え、遺言でその旨または他の者に全てを与える意思表示をしても、目的を遂げることはできない可能性があります。 
なぜなら、その者が遺留分を主張すれば遺産は渡ってしまうからです。

 

その時は廃除という制度により、その相続人の遺留分権をはく奪します。
これは生前家庭裁判所に申請する、または遺言によって行われます。それにより審判確定または調停成立して実現されます。

 

兄弟姉妹には遺留分がないため廃除はできず、また遺言でその旨意思表示すれば目的を遂げることができます。

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行政書士の仕事

 

主に公正証書遺言作成のお手伝いとなります。

 

@ ヒヤリングにてご事情、遺言者の意思を確認

 

A 相続人調査 → 相続人相関図作成

 

B 相続財産の調査 → 財産目録作成

 

C 仮の遺言状作成

 

D 公証人と協議の上、遺言状作成

 

E 作成した遺言状を遺言者に提示し了解を得たうえで日程調整

 

B 約束の日時に公証役場に赴き、ご本人、公証人、証人2人立ち合うその後読み聞かせ、押印等一連の手続きにより公正証書遺言完成

 

 


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